ジャイロボールには、説明や定義がいくつかあるようですが、ここではひとつの例を紹介します。
ジャイロボールは日本のスポーツ科学者が投球画像を解析して唱え始めた球種です。
回転軸が進行方向と一致し(打者に向かってねじ回しを回すようなボールの回転)、握り方や投げ方で様々な変化をします。
通常の直球はバックスピンがかかるため揚力が発生しますが、ジャイロボールは揚力が少ないため打者近くで急激に変化します。
時速150kmで発射されたジャイロボールは、縫い目の位置によって
終速は131km~142km
落差は101cm~110cm
と大きな差が出ます。
なお、松坂投手のジャイロボールは、打者からは「浮く」ように見えると言われています。そのため松坂投手のジャイロを空振りすると、バットがボールの下を通ることが多くなります。
◆楽天田中投手のクイックモーションは遅い?
楽天の田中投手は5度目の先発登板でプロ初黒星を喫してしまいました(07年4月25日対オリックス戦)。
田中投手はこの試合までに8個の盗塁を許しており、この時点ではチーム最多です。
このデータからもわかるように、田中投手には「クイックモーションが遅い」という課題があるのです。
楽天の杉山投手コーチによると、通常投手のクイックモーションは始動からミットに収まるまで1.2~1.25秒ですが、田中投手は1.3秒かかるそうです。
しかし急に修正を行うとフォームを崩すとして、チーム首脳陣は投球の精度を上げることを優先し、牽制球を増やすなどして対応しました。この試合でも、失点を許した4回には10度の牽制を行っています。
しかし投球に集中できなかったようで、5回にはノックアウトされてしまいました。