右利きの選手 右打席と左打席 どちらが有利かのコンテンツでも紹介しているように、右利きの選手はどちらの打席が有利なのか?はしばしば議論の対象になります。
安打を数多く打つのか、長打を狙うのかで違いがあり、足の速さや左手の利き具合なども考慮すると、答えをひとつに決めるのはなかなか難しいのではないでしょうか。
「すぐマネしたい バッティング 守備 ・ 走塁 トッププレイヤーの技術(Amazon)」に、城島健司捕手(当時)が、利き手とバッティングについて回答されていました。8~10ページより一部抜粋して紹介します。記事中の所属チーム等は当時のものです。
城島選手(右利き・右打ち)は右手を重視「飛ばすのは後ろの手」
-ティーバッティングは右手で打っています。「引き手(前の手)が大事」とよく言われますが逆ですね。
城島 みんなそうやって教わるんじゃないですか。正反対だと思うんです。だから右投げ左打ちのバッターはホームランをたくさん打てないと思いますよ。松井(秀喜・ヤンキース)さんも「自分自身が右投げ左打ちなんで、左投げ左打ちの感覚とは違う」と言っていました。
これまでのホームランバッターも右投げ右打ちか左投げ左打ちなんです。王(貞治・ホークス監督)さんもサミー・ソーサ(カブス)もマーク・マグワイア(カージナルス)も・・・。飛ばすのは後ろの手だと思います。
松井さんもイチローさんも右利きで左打ち。だから利き手側の身体の前の方でとらえる。ヒットを打つバッターは良いと思うけど、遠くへ飛ばすには後ろでとらえないとダメだと思う。
-極端に言うと、利き腕で球をつかんで飛ばすという感覚ですか?
城島 はい、身体の回転でね。「人間は腕より足の力が8倍強い」そうなんです。だから下半身でどっしりと打った方が絶対に飛ぶ。腕はそれに付いてくる感覚。身体の近くをバットが通りたいですね。
「インサイド・アウト」とよく言いますけど僕の中では「インサイド・イン」なんです。全部、身体の近くで終わって良いんです。
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日本は前 米国は後ろ&「詰まってナンボ」
-とにかく近くということですね。
城島 ボールを引き付けさえすれば、バットは1mぐらいあるわけだから、単純に考えてアウトコースにも当たるんです。これが軸がブレるから当たらなくなる。普通にやればそうなんです。しかもその外側で当たらないものはボールなんです。
そう考えると野球盤と一緒。僕はキャッチャーなんで「アウトコース低めに投げなさい」という。なぜかと言うと目から一番遠いし、手が離れるから。だから身体の近くで打つインコースは危険が大きいと思う。少々詰まってもホームランになるのは力が入っているから。
実際、アメリカのバッターは「ステイバック(Stay Back=重心を後ろに)」と習う。小さい時からそう教わってきたアメリカのベースボールと「前で打て」と教わってきた日本の野球の差は大きいと思う。
-詰まるのは怖いことではないと。
城島 「バッティングは詰まってナンボ」だと思うんです。詰まらないバッターは良いバッターじゃない。そうやって打てるだけの力だったりスイングだったりが備わってきたと思います。だからそういう打ち方にも挑戦できると思う。
また逆に言うと力のない人こそそうやって力をボールに伝えないと飛ばないと思うんです。テニスだってゴルフだってそう。自分のスタンスの中で打つでしょう。野球だけが特別じゃないんですよ。
身体の近くの方が一番力が入るしコントロールも付く。一緒ですよ。とにかく詰まることを怖がらないことです。
(抜粋ここまで)
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