「プロ野球守備・走塁バイブル」で、井端弘和選手がファースト、セカンド、サードの守備の違いについて解説されています。

井端選手ほどの名手であっても、各ポジションごとに違う難しさがあるようです。
 
同書21ページから一部を抜粋して紹介します。




ファーストの難しさ 100%送球捕球にイメージ

内野の全ポジションを経験した井端選手にとって、ファーストの難しさは予想外だったそうです。

14年はプロ17年目で初めて、内野の全ポジションを守りました。
 
無難に守れたと思いますが、ファーストがこんなにも難しいポジションだということは初めて知りました。
 
あらためて分かったことは、捕る、投げるという基本的な部分を除けば、各ポジションに共通点はない、ということですね。
 
大まかに言えば、ファースト&サード、セカンド&ショートが似ているかなという感じを受けましたが、まったく一緒ということはあり得ません。
 

井端選手はファーストの難しさをこのように解説しています。

まずファーストは捕球の大切さでしょうか。ショートバウンドもあるし。
 
ファーストベースにつきっきりなわけではありません。守備位置からベースへ走って、振り返ったらもうボールが来るわけで。
 
打球が飛んでくるかどうかよりも、よほど難しさがありました。
 
経験が浅いので技術的なことは語れませんが、ファーストは100パーセント、送球捕球にイメージを持つくらいでいいというのが僕の考えです。
 

サードの守備「正面の打球は我慢して動く」

サードの守備は「とにかく動けば良い」というわけではないようです。

サードはというと、二遊間に比較して、正面の打球はギリギリまで我慢して動くようにしていましたね。ヘタに動いてしまうと打球に合わなくなる。
 
横の速い打球は反応だけ、緩いゴロは二遊間と同じですから、サードはそこだけ気をつけるというのが僕の守り方です。
 

セカンドの守備 ショート以上に意識すべきこととは?

セカンドはショート似ていますが、”より意識すべきこと”がひとつあります。

セカンドですが、動きはショートと一緒。
 
ただ、捕球後、すぐに送球へ移ろうとしても、ファーストが間に合っていないケースが多いので、しっかりと股を割って、ショート以上に”捕る。キャッチボール”の、基本に立ち返って、忠実にプレーする意識を持つと、堅実さが増すのではないでしょうか。
 

ここまで”違い”を紹介しておいて何ですが、井端選手は「違いを意識し過ぎるのは良くない」とされています。

とはいえ、ポジションごとの違いを意識しながら守るのはあまりオススメしません。
 
ファースト以外は、「捕れる!」と思ったボールを全部捕る。これくらいアグレッシブな意識を持って守っている方が、さまざまな事態に対応できると思います。