ピッチングでは腕の振りと体幹部の回旋動作で成り立っています。
「スポーツ医・科学の立場から考える野球技術の大原則」に、この動作を習得するのに有効な「真下投げ」の解説がありました。
「真下投げ」は同書を監修した渡會公治帝京科学大学特任教授が考案したもので、ピッチング動作を身につけるのに優れた効果があります。
著者の伊藤博一帝京平成大学教授による解説を、42~45ページから一部を抜粋して紹介します。
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スポーツ医・科学の立場から考える野球技術の大原則
真下投げの効果 正しい投球フォームが身につく
真下投げとはこのような動作です。
体幹部の大きく素早い回旋動作を誰にでも簡単に実現できる”真下投げ”という練習法をご紹介します。
真下投げとは、昔の外遊びであるメンコやくぎさしなどからヒントを得た練習法です。
写真のように、ボールが真上に弾むように真下(リリースポイントの真下)の地面ポイントに向かって思いきりたたきつけます。
この真下投げは、本書の監修者である渡會公治先生が考案したもので、上手な投げ方を簡単に身に付けるための練習法です。
1997年からは私も渡會先生の共同研究者として、真下投げの有効性を様々な角度から証明してきました。
地球に向かってボールを投げるとき体幹部は大きく素早く回旋するため、投球動作の感覚をつかみやすいのです。
真下投げのやり方(写真はありません)
以下に真下投げのやり方の概要をまとめていますが、本書で使用されている画像はありません。
動作を画像で確認したい方は本書か下で紹介している動画を参考にしたください。
写真aのように、利き手で自分の奥えりをつかんだまま、柔道の背負い投げのように、地球(重力方向)に向かって体幹部を回旋してみてください。
次に、写真bのように、宇宙(真上)に向かって体幹部を回旋してみてください。
最後に、写真cのように、水平方向に体幹部を回旋してみてください。それぞれ3回ずつやって、体幹部の回旋動作を比べてみましょう。
地球方向が最も回旋しやすく、宇宙方向は最も回旋しにくい、水平方向は両者の中間、といった感じになると思います。
実際のピッチングでは、当然水平方向の動作になります。
水平方向をいつもの投球動作、水平よりやや上方を遠投動作と置き換えて考えると、真下投げは体幹部の回旋動作を改善するための練習法であることがすぐにわかると思います。
第3節で解説したように、体幹部の回旋動作が改善されると、結果的に上肢の振り動作は肩甲骨面上へのヒジ関節の伸展動作と前腕の回内動作が主体になります。
本書の画像や映像で確認して頂くと、「真下投げ」が投球動作習得に優れた効果を持つことがわかります。
参考にしてみてください。
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