2014年の序盤は、巨人軍の内海哲也投手にとって不本意極まりない成績でした。

7戦して0勝3敗。
エースとしては何ともさびしい数字です。


内海投手の力を考えると、とても本調子とは言えない結果になっているのは、「チェンジアップ病」が原因とする評論家もいます。
 

 
雑誌「週刊新潮」の記事を紹介します。
 
元近鉄バッファローズ投手で野球評論家の佐藤慈紀氏は、内海投手の不調の一因をこう分析します。

全体的に決め球が高めに浮いているんですよ。
 
いいときの内海投手が投げると、バッターはボールに当てるのに苦労していました。ストライクゾーンとボールゾーンの境界でボールを出し入れしていたからです。
 
いまの内海投手は外角低めに決め球を投げても、ボール1個分高い。打者はバットを振り切る。それで点を取られています。

野球評論家の有本義明氏はこう解説します。

勝てないには、勝てないだけの理由があります。
 
内海の場合はチェンジアップ病です。
 
打者が面白いように凡打してくれるので、チェンジアップを投げていますが、そのため腕が振りきれなくなっています。

つまりチェンジアップを多投しすぎて、いつの間にかストレートのフォームが悪くなっていた、というわけです。
 
有本氏の解説を続けます。

腕を振り切れなくなると、速球の威力が落ちます。
 
速いストレートがあってこそ、チェンジアップやスライダーなどの変化球が活きてくる。
 
内海もまだ老け込む歳でもないのだから、70%ぐらいはストレートを投げるべきですよ。
 

内海投手ほどの実力があっても、球種のバランスが崩れると本来の投球ができなくなることがあるのです。
 
(このコンテンツは週刊新潮 2014年5/22(Amazon)号144ページを参考にしました)