「トルネード投法」で一世を風靡した野茂英雄投手は平成20年の7月に現役を引退しています。
野茂投手が、日本人野球選手のアメリカ大リーグ進出のパイオニアであったことに異論はないでしょう。
現在メジャーでプレーしていたり、過去メジャーに在籍していた選手の多くが「メジャーでプレーできたのは野茂さんのおかげ」と口を揃えます。
野茂投手の輝かしい実績
野茂選手が偉大なのは、ただ単に「先駆者だったから」ではありません。歴史に残る実績があるからです。
野茂投手はドジャースとレッドソックス在籍時代にノーヒットノーランを達成しています。
ドジャース在籍時代にロッキーズ戦で成し遂げたノーヒットノーランは、以下に挙げる理由から特に高く評価されています。
■空気が薄く球が飛びやすいので投手に不利
■球場自体が広いので守備側に不利であり、ヒットも出やすい
クアーズフィールドでノーヒットノーランを達成したのは野茂投手が史上初だったのです。
以後は2012年現在まで、管理人が確認した限りこの球場でノーヒットノーランを達成している投手はいないようです。
野茂投手のドジャース入団時に監督だったラソーダ氏は「彼(野茂投手)がいなかったら、米国の球団は日本選手の獲得をためらっただろう」とまで語っています。
斎藤佑樹投手の弱点?ストレートの球威
日本ハムの斎藤佑樹投手は、平成23年3月21日のオープン戦で阪神と対戦しましたが、予定の5回持たずに3回13安打9失点と大炎上してしまいました。
斎藤投手のスタイルは制球が命であり、それが乱れるとこうした悲惨な結果もありうる、というわかりやすい一戦だったと言えそうです。
斎藤投手も試合後に、完全な力負けであったと認めています。
制球の良さだけでなく、球威をもっと増す必要があり、東京スポーツ新聞の記事は斎藤投手の課題について次のように報じています。
梨田監督は「左打者の外角の制球が良くなかった。(登板間隔の影響は)あったんじゃないかな」とかばったが、13被安打のほぼ全てで打者が自分の形でフルスイングをしていたことが、改めて露呈した今後の大きなテーマだろう。
斎藤自身も「もっとボールの強さを増さないといけないし、改めて力不足を感じた。多少ボールが甘くなっても押し込めるボールがないと」と痛感させられたストレートの球威問題だ。
「いくら制球が良くてもあのストレートではプロは打つ。打者から見れば内角をえぐられる怖さがなく、制球がいいというアタマがあるから今日みたいな出来の時はちゅうちょなく踏み込んて自分のスイングができる」
とネット裏のセ・リーグスコアラーは、これまで散々指摘されてきた技巧派・斎藤の弱点をズバリ。
状態が悪く制球が定まらない時に、どうゲームをつくっていくか、という課題を改めて指摘した。
斎藤は
「打たれたのは、打たれるべくして打たれたボール。しっかりコースに投げたり内角を突ければ大けがはないなと思いました」
とこれまで何度も繰り返してきた制球の重要度を語ったが、憧れていても今はかなわない本格派とのギャップに、ジレンマを感じているようでもあった。
平成23年3月22日東京スポーツ新聞