阪神の藤浪晋太郎投手は2017年の8月16日の広島戦で、82日ぶりの一軍登板を果たします。
 
しかし結果は四回三分の二を投げて七安打三失点、四死球七つという不本意な結果に終わっています。
 
(このコンテンツは雑誌週刊文春2017年8/31号49ページを参考にしています)

二死球のうち、ひとつは相手先発の大瀬良投手に当ててしまったものでした。
 
この乱調の原因を、阪神担当の記者はこう分析しています。

最初から恐る恐る投げていた。
 
香田勲男コーチは「メカニズムは大分良くなってんだよな」と言いつつ、頭を抱えている。問題はメンタル面ということです。

この「メンタル面」について、報道陣の間では「イップスではないか」というのが共通認識になっています。
 
イップスとは精神的な原因から動作に支障をきたし、思い通りのプレーができなくなる運動障害のことです。
 
一説によると、プロ野球を辞める選手の八割はイップスを抱えているそうです。
 
藤浪投手の場合、2017年4月のヤクルト戦で畠山和洋選手の頭付近に当てて乱闘になった件がイップスの引き金になったと考えられています。
 
冒頭に紹介した大瀬良投手に当てた際には、大瀬良投手が”大丈夫だから”という風に藤浪投手に笑いかけるシーンがあり、「同じ投手として同情してるのではないか」と見るむきもありました。
 
藤浪投手の状態が相手チームにも伝わっているのです。
 
投手がイップスになる場合、一塁送球の場面などで緩い球が投げられない、といったケースが多く、藤浪投手のようにピッチング自体でイップスになる例は少ないとされています。
 
あるスポーツ紙のデスクはこう指摘しています。

広島戦での二死球も、捕手が外角に構えていたのが気になります。
 
内角に投げるのが怖いのとは別に、外角を狙ったつもりが死球になってしまうのだとしたら、克服は容易ではない。

野球に限らず、プロスポーツ選手がイップスになった、とは確かにしばしば耳にしますが、イップスを克服したという例もまたたくさんあります。
 
まだ若い藤浪投手のイップス克服と復活を期待したいものです。