ヤクルトの高津投手は07年の6月30日、左足の親指をはく離骨折してしまいました。
それでも7月16日からの中日との3連戦では、本人の強い希望もあって1軍投手として帯同しています。
骨折していても投げられるのは「プライトン・シーネ」という秘密兵器があるからです。
プライトン・シーネは医療器具で、骨折箇所を固定するための粘土のような物質です。温めると柔らかくなるので患部に負担が最もかからない形に変形させられます。
衝撃吸収性にも優れているため、プライトン・シーネをつけた高津投手はブルペンでガンガン投げられます。
骨折していても投げることで、ナインを鼓舞するねらいもあるのだとか。
川口和久投手の肩へのハリ治療
「巨人キラー」として名をはせ、広島カープのエースだった川口和久さんは、1985年の8月、左肩を傷めてしまいました。
それから年が明けて1月になってもキャッチボールもできない状態が続いたのです。
窮地に陥った川口さんは、それまで敬遠していたハリ治療に踏み切ります。
この時の様子を、東京スポーツ新聞が伝えています。
ボクははり治療が大嫌いな人間だったけど「このまま野球をやれなくなるのなら・・・。賭けるしかない!」。意を決して、自分にとってはイチかバチかの治療を選択した。
具体的な内容は、肩で固まっている悪い血をもみほぐし、腕の方へとマッサージしていって、それから人さし指の先にはりで穴を開けるというもの。
するとドス黒い色をした血が、次々と指先から流れ出てきた。
もんでは血を出し、もんでは血を出し、を毎日続けていくと、3日後には出てくる血がキレイになっていくのが自分でも分かった。
キャンプでは最初の2週間、この治療法に取り組んでみたところ、次第に肩が軽くなってきたような気がした。そこで恐る恐るキャッチボールをしてみると…。
「痛くない!」。
あの時は投げられる喜びにとにかく感動。治療をしてくれたトレーナーの方には感謝をしてもしきれない。
平成20年6月10日東京スポーツ新聞 川口和久さんのコラム「Gキラーのダンディズム」より