故障しない投球フォームのポイントは下半身

野球には、対立している議論があります。
 
・ピッチャーは投げ込みさせるべきVS肩は消耗品なので投球は最少限に
・走塁は走り抜けるほうが速いVSヘッドスライディングで飛び込むほうが速い
・筋トレは必要VS不要
・送りバントは必要VS不要

 
・・・などですね。
 
雑誌「週刊ポスト」に、主要な対立する議論をまとめた特集がありました。実績を残したプロ野球経験者に、各自の理論を主張してもらう記事です。
 
以下に、ポイントをまとめて紹介します。
 
(このコンテンツは週刊ポスト 2013年 9/27号164~165ページを参考にしています。参考資料はこちらにまとめています)

投手は数を投げ込むべきVS肩は消耗品なので投球数は抑えるべき

現在では、「投手の肩は消耗品」という考えが浸透しており、高校野球の連投も批判の対象になっています。
 
この件について、記事では金田正一氏と桑田真澄氏が対談されています。(以下敬称略)


金田 高校野球というのは、連投、連投で各校が最後まで死力を尽すからこそ、感動が生まれてきたんだ。(中略)人間の体は、そう簡単には壊れやせんわい。
 
桑田 でも金田さん、ヒジが曲がっても腕が折れても投げようとする子は、今でもいるんですよ。それをメディアがあおって美談にしてしまうから良くない。そうやってダメになった選手を何人も見てきました。
 
金田 あれだけ甲子園で投げたお前自身は、壊れていないじゃないか。
 
桑田 僕は少しでも、体に違和感を覚えると投げませんでしたから。「根性無し」とか、「何サボってんねん」とかいわれましたけどね。理由は将来プロ野球選手になるため、壊れるわけにはいかなかったんです。だから予選の前には、1ヵ月ノースローで過ごしたこともありました。
 
金田 甲子園の優勝はどうでもよかったのか。
 
桑田 そんなことありません、優勝は大事な目的でした。ノースローも優勝のためです。実際、1ヵ月走り込んだことで肩の調子も良くなり、以前より良い投球ができるようになりました。
 
金田 よく監督が許したな。
 
桑田 普通なら「投げられない」といえば「もういらない」といわれる世界ですよね。だから言い出せなくて、ヒジや肩の爆弾が破裂してしまう選手が多い。PL学園の中村(順司)監督に理解していただいたのはありがたかったですね。
 
すべては指導者の勝利至上主義が問題。よく「お前と心中だ」なんて話す指導者がいますが、本当に心中してくれる人なんていません。子供は壊れて終わり。監督がその後の人生の面倒を見てくれるかといえば、そうじゃない。
 
(中略)
 
もちろん勝利も大事ですが、学生野球では指導者の考え方を勝利至上主義から「人材育成主義」にシフトしていくことが必要です。
 
金田 ウ~ム、子供は確かにそうかもしれん。しかし最近は一人前のプロが、「肩は消耗品」とかぬかすだろう。愚の骨頂だよ。「100球肩」などといわれた江川(卓)の頃からだな、おかしくなったのは。最近は楽して金を稼ぐことしか考えない”野球プローカー”が多くて哀しい。
 
闘争本能をもって、ファンを魅了できるよう、登板したからには完全シャットアウトする気で投げないと、昔のピッチャーは皆完投してきたぞ。ワシだって1年で34試合、完投したんだからな。
 
桑田 僕は最高で完投が20試合ですから、やっぱりすごいですね。

投手パフォーマンスラインでは、ケガを防ぐためのトレーニング、球速向上とケガ防止を両立させるフォーム作りなどが解説されています。

故障しにくいフォームのポイント 下半身

金田 桑田よ、一つ聞くが、お前は「投げ込み」については反対か?
 
桑田 僕は、体が出来上がるまでの成長期には沢山投げてはいけないと思っています。ですが20歳以上や、プロになるなど、体ができてからはある程度投げないとダメだと思っているんです。
 
理由は早い時期に合理的で効率的なフォームを身に着けるため、それを固めれば、ケガをしにくくなるんですよね。
 
金田 その通り。妙なフォームで投げるから負担になって故障するんだ。単純に何度も投げるからではない。そういう丁寧な説明を補わないから「消耗品」という言葉が一人歩きしてしまう。
 
桑田 ヒジや肩が壊れるというのは、投げ過ぎよりも良くないフォームで投げるということが原因にあると思います。故障はその警告なんですよね。
 
 
・桑田氏は誰のフォームを手本に?
 
桑田 中学生の時から、たくさんの名投手の写真を集めて研究しましたね。
 
金田 ワシの写真も入っとるだろうな?(とニラむ)
 
桑田 もちろんです。左投手では金田さん、鈴木啓示さん、江夏豊さん。僕と同じ右投手も、日本やメジャー、黒人リーグの選手まで集めました。すると、いいピッチャーには絶対の共通点が一つ見つかったんです。
 
どの名投手も、頭を残して先に下半身が前に行く「ステイ・バック」ができているんです。こうすると、上半身に負担がかかりにくいから、どれだけ投げても故障しづらいんです。
 
でもこれは、足腰が強くないとできない。だから金田さんの「走れ走れ」というのは、実に理にかなっていると思うんです。
 
金田 そうじゃ、そうじゃ(と頷く)。
 
※参考
甲子園での連投については投手を酷使する高野連 門田隆将さんの警鐘「日程の改革を」コンテンツもご覧ください。動画を紹介しています。
 

佐々岡真司流ピッチングの極意では、
「肘が下がる原因は、下半身にあることが多い」
「股関節の使い方を身体に覚えさせるためのトレーニング」
「キャッチボールでも下半身を使う感覚を覚える方法」
「下半身の『タメ』を作るフォームとは」
などが実演・解説されています。

 

 

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