2014年8月31日、世界最長の野球の試合に決着がつきました。
 
その試合とは高校軟式野球選手権の準決勝、中京(岐阜)対 崇徳(広島)戦です。


 
雑誌「週刊文春」の記事を参考に、どのような試合だったのか概要を紹介します。
 
(このコンテンツは「週刊文春」2014年9/11号55ページを参考にしています)

「50回表」に決着 両チームとも一人の投手が完投!

8月28日に始まったこの試合は、0対0で延長15回を終了します。両チームは翌日、翌々日も延長15回を戦うも、決着がつきません。
 
試合はついに四日目に突入します。
 
31日、試合は世界記録更新の46回表から再開されます。
 
試合がようやく動いたのは、50回表。中京が無死満塁から右翼線へ2点タイムリーを放ち、その後1点を追加します。その裏、崇徳は無得点に終わり、3対0で中京勝利で試合は終了するのです。
 

 
合計10時間18分にも及んだ試合でしたが、両チームとも一人の投手が完投しました。中京の松井大河投手は709球、崇徳の石岡樹輝弥投手は689球を投げ切ったのです。
 
軟式球は硬式球よりも肩・肘への負担が比較的軽いと言われていますが、さすがにオーバーワークだったようで、

石岡投手の右腕は、三十回を終えた二日目以降、ちょっと動かすと「ワーッ」と声が出るくらい、パンパンに張っていた。

崇徳の中河監督は、「できれば投げさせたくなかった」そうですが、石岡投手が強く希望したため、続投を決断しました。

「続投させても代えても批判されるだろうし、それを受け止めなければ、と思っていました。最後は、石岡が後悔しない道を選びたい、と」

中京の平中監督も、松井投手を続投させることに迷いはありましたが、中京が先攻であり、28日の9回以降常にサヨナラ負けの危機感があったため、代える決断ができませんでした。
 
この試合後、高野連幹部はタイブレーク導入の議論を示唆しています。球数制限は、公立校など部員数の少ないチームには不利なため、タイブレークが候補に上がっています。
 
軟式・硬式問わず、高校野球では投手の連投がしばしば批判されています。今後どのように議論・改善が進むか注目されます。