2015年のU-18ワールドカップで、日本は米国に決勝で敗れ惜しくも2位に終わりました。
 
ネットにこの敗因を分析した記事がありました。
 
日本の最強U-18は、なぜ世界一を逃したか
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150907-00000001-wordleafs-base&p=1

この記事では、敗因を国際試合での審判に対応できていなかった点木製バットに適応できていなかった点の2つを挙げています。
 
記事の概要をまとめます。

国際試合の審判 日本との判定の違い

「海外の審判に対応」というと、ストライクゾーンの違いが真っ先に思い浮かびますが、この試合ではそれだけではない”違い”が浮き彫りになりました。

2点を追う5回、先頭打者だった関東第一のオコエ瑠偉が中前打で出塁。
 
その足で掻き回すことに期待されたが、アメリカの先発左腕、パレットのけん制につり出され、二塁ベース手前で憤死した。
 
オコエが「え?」と、思わず塁審の顔を見たのも無理はない。
 
パレットの右足は、一塁方向に正しく踏み出されておらず、日本のルールならば、完全にボーク。

これだけではありません。

同じようなケースは8回にも。
 
一死二塁からアメリカ3番手の長身右腕のジェファーソン・ローソンが、セカンドへの偽投を試みたが、これも日本の審判なら間違いなくボークを宣告するような動きだったが、そのまま試合は流された。

”お約束”のストライクゾーンも日本とはかなり違っていました。

キューバ人の球審のストライクゾーンも明らかに広かった。
 
特に低めと外のボールを甘く見るため、落差のある変化球で揺さぶってくるアメリカの左腕、パレットにとっては有利な判定が続き、日本のバッターには戸惑いも見えた。

日本側に不利とも思えますが、記事では「国際試合とはこういうもの」という前提で事前に対応しておくべき、との主張が紹介されています。
 
北京五輪代表チームのスコアラーや岡山商科大学野球部の特別コーチを務めた三宅博氏はこのように苦言を呈しています。

国際試合でのボークの判定と、ストライクゾーンが極端に日本のそれと違うのは常識。それに対する準備と、頭の切り替えが重要になってくる。
 
ストライクゾーンに関しては、日本では、“ボールを振らない”ことを教えられるので、簡単には切り替えは難しいが、決勝までに試合数をこなしたのだから、その中で、切り替え、適応していくことは可能だったし、できているようにも見えた。
 
決勝戦のような緊迫した試合の中では、本当の意味での準備と適応ができていたかどうかが、出てきてしまうもの。

こうした対応は、使用する木製バットにも必要だったようです。

木製バットへの対応

日本の高校野球では金属バットを使用します。
 
当然のことながら、U-18WCに出場した日本選手の多くは金属バットを使っていたので木製バットでの打撃には違和感があったようです。

打球が飛ばないので、ポイントを前にして振ろうとしていたが、詰まることを嫌がるため、ポイントがどんどん前へ出ていったため、チェンジアップなどの変化球を見極めることができずにバットに当たらなくなった。

それが最も典型的だったのは清宮選手だったようです。

清宮は、この日、「4番・DH」で先発出場したが、2回先頭で迎えた第1打席、4回二死二塁のチャンスで迎えた第2打席は、いずれも縦に割れる大きな変化球のまったくタイミングが合わずに連続三振。
 
6回二死一、二塁で巡ってきた第3打席も、変化球をひっかけてのボテボテのゴロ。グラウンド状態が悪く、あまりに打球が力弱かったため、内野安打となったが、快音は聞かれなかった。
 
左膝を痛めたことなども手伝って、大会を通じて成績は8試合27打数6安打で、打率.222、本塁打はゼロ。木製バットに対応するために、グリップの位置を変えたり、右足の上げ方を工夫したりしていたが、結果につながらなかった。

清宮選手は大会終了後、「チームに貢献できなかった。足を引っ張ってしまった」と、反省を口にしています。
 
日本チームが対応できなかった例ばかりを挙げましたが、これだけ悪条件であっても日本は2位だったとも言えます。
 
日本とジャッジが違う例はこれまでの試合で蓄積して学習できますし、今後は木製バットを使う機会を増やせば対応できます。
 
世界と日本のギャップを埋めるのはそれほど困難ではないはずです。