平成21年4月16日の東京スポーツ新聞に、「ヤクルト打線好調の秘密は淡口コーチの長短バット」という記事がありました。

プロ以外の野球選手でも実行できそうな練習法だったので、紹介します。

淡口コーチ 2種類のバットでトス打撃

この練習では、次のような2本のバットを使用します。
 
A 1mくらいの長さで、マスコットバット並みの重さがあるバット
B およそ40cmの短いバット
 
これらをトス打撃で使用します。ちょっと変わったバットを使用するのは、次のようなねらいがあるからです。
 
 
Aは長くて重いため、内側からちゃんとバットを出さないと振りきれません。このバットでスイング練習を続けていると、いわゆる「インサイドアウト」ができるようになります。
 
Bは片手で持って打ちます。押し手から引き手にスムーズに力を伝えるための練習です。
 
淡口コーチによると、これにより打撃の確実性がアップするそうで、松井秀喜選手もこの練習で打率がアップし、首位打者を獲得するまでになりました。

松井秀喜選手のバッティングでのこだわり 左打ちはありえない

大リーグで活躍している松井秀喜選手は、エンゼルス在籍時代、地元メディアから
 
「松井はなぜ引っ張ってばかりなんだ?レフト方向には打たないのか?」
 
と疑問を呈されたことがあります。
 
 
それに対して、松井選手は自身のこだわりを、強い口調で次のように語ったそうです。

左を狙うことはない。絶対に。打席に入ったときに「左方向を狙おう」なんて、今まで考えたこともないよ。
 
「フェンスを超えれば関係無ない」なんて、そこまでのことでもない。
 
相手や状況に合わせて左方向を狙ったらオレはダメなんだよ。スタイルを変えると、その後に影響が出るから?もちろん、そういうことだよ。
 
1本の安打のために左方向に打つことはない。(打撃が崩れて)もっと悪くなるきっかけにもなる。
 
平成22年7月21日東京スポーツ新聞の記事より

確かに、大リーグ中継で松井選手を見ていると、ゴロもヒットも右方向が圧倒的に多いです。
 
野手に限らず、ピッチャーも「自分のこだわり・スタイル」に固執するか、柔軟に変化するかはとても難しい問題ではないでしょうか。
 
「何が自分のためになるのか」は、結果論でしかわからないからです。
 
管理人個人的には、「左方向の安打やホームランでも、価値は変わらないのでは?」と感じますが、松井選手本人としては、長いプロ生活で「左を狙うと良くない」と経験しているのでしょう。
 
結局は、選手それぞれが自分が納得する方法をとるしかありません。