2016年の11月、キューバ出身のアレックス・ゲレーロ選手が中日ドラゴンズと契約しました。

米国大リーグの経験もあるゲレーロ選手のバッティングは、日本で高く評価されているようです。


雑誌「週刊現代」の記事を紹介します。
バッティング技術、対するピッチャー側の考え方といった視点からも興味深い内容です。
 
まずはミスタードラゴンズこと、立浪和義氏のゲレーロ選手評です。

日本に来る外国人バッターは、内角攻めを気にするあまり、外のボールになる変化球を振らされるケースが多い。
 
その点、彼は内角をさばくのが上手いので、外の球も落ち着いて対応できる。中日はよくあれだけのバッターを連れてきたものです。
 

在京球団のスコアラーのひとりはこう語ります。

技術もあるうえに、低めの球でもスタンドに持っていけるパワーも兼ね備えた、非常に厄介なタイプ。
 
例えるなら「パワーのあるマートン」という感じ。打撃練習から、各球団必死でマークして欠点を探しています。

中日の外国人選手では、2016年のビシエド選手が春先こそ驚異的なペースで打ちまくり月間MVPを獲得しましたが、その後失速しています。
 
ゲレーロ選手も二の舞になるのでは?と懸念するむきもあるようですが、立浪氏の見方は必ずしもそうではないようです。

ビシエドはシーズン途中から上体が前に突っかかってしまい、打球が詰まるケースが目立った。
 
比べてゲレーロはタメを作るのが上手く、ストレートを待っていても、甘い変化球がきたら、グッとこらえて長打にできる。
 
(ドジャースでチームメイトだった)前田健太から「すごい打撃センスのあるヤツだ」と聞いていたんですが、その通りだった。

穴らしい穴が見あたらないゲレーロ選手を他球団はどう攻めるつもりでしょうか。 

強いて言えば、バットがやや下から出てくるタイプなので、インハイをきっちり攻められるかどうか。
 
高めを意識させたうえで、外角のボールで仕留めるしか、いまのところ手はない。(前出・在京球団スコアラー)

ゲレーロ選手のバッティングと、対するバッテリーがどう攻略していくか、注目したいところです。
 
このコンテンツは雑誌週刊現代 2017年 3/11号68ページを参考にしました。