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荒川氏の指導において、絶対欠かせない要素に合気道があります。

合気道の鍛錬を経て、「間」と「気」をバッテイングに応用できる境地に達するのです。
 
(このコンテンツは雑誌週刊現代2016年4/16号(Amazon)202~203ページを参考にしています)

当初は疑っていた合気道 通ううちに「間」と「気」の虜になり…

荒川氏は、合気道の創始者とされる植芝盛平氏に師事し、長期に渡り指導を受けます。

歌舞伎の名人、六代目尾上菊五郎が植芝先生に「間」を教わったと知り、「名人が行くのだから本物だろう」と思った。
 
野球に限らず、お芝居も、剣道も「間」が大事だと考えていました。

荒川氏が訪れた際、植芝氏は「気」で5~6人の弟子をひっくり返していました。
 
それを見て、正直なところ荒川氏は「怪しい」と感じます。

八百長のところにきたのか、と。でも通っているうちに本質がわかって虜になり、40年通った。
 
力の出し方、使い方。合気道で随分、野球の技術を覚えたね。

合気道も野球もヘソに「気」を入れる

しかし武道と野球では、接点が無いようにも感じます。通じるところはあるのでしょうか?

ヘソを中心に動くのが合気道。ただ動くのではなく、ヘソに「気」が入っていないといけない。その「気」と体が一体となることで大きな力が生まれる。
 
体の筋力とかは関係ないんです。
 
それは打撃にも通じる。「気」は邪心があってはならない。次にどんな球種がくるのか、打てるだろうかと「気」が散ってもいけない。
 
「気」をヘソに収め、平常心で待ち構え、最初に「気」から動かして、来た球を打つ。心が体を動かすんだ。
 

荒川氏は85歳を過ぎても、道場に足を運んでいます。

僕がここまで来られたのも植芝先生に30歳足らずで出会えたからです。自分が尊敬できる人を作り、その教えを信じて続けることが大事。
 
師匠は、弟子ができないことを簡単にやってのけないと信用されない。そのために努力するのは、当たり前なんです。

プロゴルファーの片山晋吾選手など、野球選手以外にも多くのトップアスリートが荒川氏を訪れ、教えを請うています。

この年齢だと一から育てるのは難しいけど、野球に限らず、継いでもらうのにふさわしい人たちに、僕の知見、業を教えていきたい。

正直言いまして、管理人は「野球と気」の接点はよくわかりません。
 
しかし極限まで練習を重ねた上で、他の競技者とどこで差がつくのかといえば、「気」といった要素になるのかもしれません。
 
王貞治氏、片山晋吾氏といったアスリートの実績を考えれば、それほど間違っていないようにも思えます。