2016年2月、西武ライオンズや読売ジャイアンツで活躍した清原和博氏が覚せい剤取締法違反の現行犯で逮捕されました。

すでに引退していたとはいえメディアへの露出も多く、日本でもトップクラスの有名選手だったため大きなニュースになりました。


元スター選手の逮捕という事態に、落胆した野球ファンは多いのではないでしょうか。
 

 
この件について、野村克也氏がコメントされていました。
 
野村克也 清原逮捕に「天才だが考えられないバカ。野球人としての復帰は難しい」
zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160210-00000004-sasahi-base
 
この中で野村氏は清原氏の人間性に言及するとともに、プロの世界では何が必要かを説かれています。示唆に富む内容なので紹介します。

プロ1年目から俺の記録はいつか清原に塗り替えられるなと思っていた。こんな選手いない。
 
ただ物足りなかった。
野球選手に大事なのは判断力だが、清原のプレーからは状況判断をしているとか、頭を使っているとかが全く伝わってこなかった。
 
それで、清原が西武1年目か2年目のときに、俺は森(祇晶・元西武監督)に言ったんだよ。清原は野球に対する思想、哲学が何もない奴だ、天性だけでやっている。お前が悪い。ちゃんと教育しろって。
 
野球の指導はコーチがやる。監督の仕事で大事なのは人間教育、社会教育ですよ。野球は技術力には限界がある。
 
その先は頭で考えるしかない。そこから先がプロの世界なんだよ。
 
技術の先には頭脳と感性が必要なんだよ。
 

 
でも清原は若いときに教育されていないから考えないし感じない。
 
人間の最大の悪は鈍感であると言うが、まさにそのとおりだよ。
 
覚醒剤は悪いと知りながら手を出すのは鈍感以前の問題、バカとしか言いようがない。バカと同時にやはり若いときの教育だね。
 
彼はやはり天才だからこうなったと思うんだよ。苦しまない、考えない、センスだけでやってきた。野球哲学をきちっと考えるということをしてこなかったんじゃないか。
 
せっかくのいい素材が、周りに恵まれなかったということなんじゃないかな。
 
野球人としての復帰はまあ難しいでしょうね。信頼と信用がなくなってしまったわけですから。それを挽回するのは並大抵じゃないでしょう。

清原氏は、野球で成功した人物と言って間違いないでしょう。
 
しかしその成功者も、知るべきこと、学んでおくべきことを学んでいなかったためにいまや見る影もありません。
 
どれほどのスター選手であっても、いつかは必ず引退します。そして、それからの人生が長いのです。
 
元野球選手が犯罪に手を染める事例は、残念ながらいまだに無くなることがありません。
 
プロであれば、何より野球が優先されるのは当然です。
しかし同時に、大人として、社会人として必要なものも身につけなければ、いかに成功しても転落の人生になりかねないと言えるのではないでしょうか。
 
また、野村氏が語っている

野球は技術力には限界がある。その先は頭で考えるしかない。そこから先がプロの世界なんだよ。技術の先には頭脳と感性が必要なんだよ。

という言葉もここでは強調しておきます。当サイトの趣旨としては、こちらのほうがより重要だと考えますので。

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野村ノート
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