阪神タイガースに入団した当初から、井川慶投手の自己管理意識は非常に高かったそうです。

食事への意識は特に高く、登板前になるとメニューも変えていました。


このへんの事情を、タイガースのコーチやスコアラー、阪神独身寮「虎風荘」の寮長を務めた梅本正之さんが以前東京スポーツ新聞のコラムで記事にしていました。
 
以下引用させて頂きます。

虎風荘の食事は栄養士さんを含む7人の寮母さんたちか毎日の献立を考え、バランスのいいメニューを用意してくれる。
 
基本はバイキング形式とはいえ、それぞれが自分の好きなものだけを食べてしまったら他の寮生の分が足りなくなる可能性がある。
 
だから6品から7品のおかずを満遍なく食べることが、寮生たちの最低限のマナーとなっている。
 
しかし、先発登板する2日ほど前から井川の様子が変わる。肉料理に全くはしをつけなくなり、魚や野菜料理ばかり食べるのだ。
 
これは厳密に言えばマナー違反となるが、外食を嫌う井川の体調管理は必然的に寮の食事が中心となる。
 
栄養士さんや専門家の意見などを聞き、自分なりに登板に合わせた”井川メニュー”を採用していたわけだ。
 
寮母さんたちも心得たもの。
 
井川が元気なら中5日、中6日で先発していたため、いつから肉料理を敬遠するかというおおよその見当はつく。
 

 
他の寮生の分がなくならないように魚、野菜料理の量を増やしてくれていた。
 
井川は酒、タバコはもちろん、コーヒーも炭酸飲料も「体のためですから」と言って口にしない。まだ20歳そこそこの若者が・・・。ボクは思わず脱帽したものだ。
 
(中略)
 
井川は休日でも外食はしない。そこでボクは寮母さんたちにお願いして、巻きずしやばらずしを作ってもらった。
 
どちらも井川の大好物だ。パクパクとうまそうに食べていたっけなあ。

2007年10月18日付東京スポーツ新聞 「名物寮長の虎の子奮闘記」から引用しました。