メジャーリーグ・ヤンキースの田中将大投手の肘靱帯部分断裂を治すために採用されたのは「(自家)PRP治療」という、日本ではまだ耳慣れない治療法でした。

・インプラント埋入時の骨再生
・難治性皮膚潰瘍
・男性型脱毛症 円形脱毛症
 
などの治療にも用いられています。
 
(このコンテンツは週刊ポスト2017年1/27号77ページを参考にしています)


PRPは「多血小板血漿」を意味し、患者の血液からとった血小板を濃縮したものです。
 
これは組織や細胞を活性化させる成長因子を含んでおり、再生を促す作用があります。
 

 
患者の血液の血小板を濃縮すると、その人に合った最適なPRPが調整でき、組織の再生が円滑になります。
 
PRPの採取および治療手順の一例を挙げます。

・患者から約60mlの血液を採取し、クリーンルームで円心分離器にかける
 
・遠心力を調整し、赤血球と白血球から血小板を無菌上体で分離する この段階で血小板が遊離した血漿が得られる
 
・この分離血漿を採取し、再び遠心分離を15分間行う この行程で濃縮血小板が沈殿する
 
・60mlの血液から、10倍の6mlに濃縮されたPRPが採取できる
 
・このPRPを4回に分け、一週間に一回ずつ患者に使用する 残りのPRPは4℃の冷蔵もしくはマイナス80℃で保存する

 
PRP治療は、
 
・聖マリアンナ医科大学形成外科
・金沢医科大学形成外科
・滋賀医科大学皮膚科

 
でも実施されており、難治性皮膚潰瘍などの治療に実績を挙げています。