ピッチング指導者の内田聖人さんが、自身の著書「ピッチング新時代」で、小・中学生が変化球を投げる是非を解説されています。
内田さんの著書「ピッチング新時代」82~83ページから一部抜粋して、その理由などを紹介します。
ピッチング新時代
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適切な指導が受けられるなら遊びの中で投げるのはアリ
結論から書きますと、「小中学生は変化球を投げない方がいい?」という質問に対して内田さんは
「指導者がフォームを正せるなら遊びの中で投げておくとよい」
と回答されています。
内田さんの解説です。
変化球に関してはさまざまな意見があります。もともと私も変化球に対する球数制限をかけたり、小学生なら遊びで2~3球投げる程度にしていました。
しかし、今は少し考え方が変わってきています。
小中学生の時期は、神経系統が顕著に発達する時期です。投球動作の観点から考えると、変化球はストレートよりも体の操り方は難しくなります。
そんななかで、変化球だけ神経系統の発達期が終わって大人になってから身につけるのはナンセンスといえます。
神経系が形成される年代なので、変化球を投げる身体の使い方が身につきやすい、というわけです。
遊びの中で投げることで自然と”モノにできる”ようになります。
私の考え方としては、若年期の感覚的に身につきやすい時期に、遊びの中で投げておいた方がいいと思います。
ボールのどの部分をリリースしたら、どのように変化するかを感覚的に身につけることで、自然とボールの重心をとらえられるようになり、結果的にコントロールの練習にもなります。
「変化球はケガをしやすい」という認識は必ずしも正しくないようですが、それでも正しいフォーム指導のもとで変化球を投げることが大事です。
また、ケガの観点から見ても、私の経験上、変化球よりもむしろストレートの方がひじにかかる負荷は大きく、実際にケガをする人も多いようです。
しかし、変化球を明らかに腕だけで投げようとする人が多いのも事実です。それは危険なので、指導者の監視が大切です。
つまり、指導者がフォームの乱れを正せるという前提があれば遊びで投げておいた方がいいと考えています。
内田さんは注意点として
「腕だけで投げる 腕だけで投げようとしたり、ひじから先の動きでコントロールしようとするとケガを起こすリスクが高くなる」
と指摘しています。