野球に限らず、メンタルを強くするのはスポーツ全般において意識されるポイントです。
メンタル強化にはさまざまな方法があり、実践している方も多いでしょう。
このコンテンツでは、大ベストセラーになった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」の著者、岩崎夏海氏のメンタル強化法を紹介します。
ちょっと強烈な考え方かもしれませんが、参考のひとつとしてどうぞ。
岩崎氏の講演録から、聴衆とのQ&Aです。
(聴衆)度胸という点でお聞きしたいのですが、いろんなスポーツ選手が試合になって、バッターボックスだとかPKだとかそういうところでの度胸ということで、何かヒントなどをお願いします。
(岩崎氏)これはもう一つしか無くて「死を想う」ということなんですよ。「自分はいつか死んじゃうんだ」ということを想うのですね。死を意識するということです。
江戸時代に佐賀鍋島藩という藩がありまして、そこの武士に伝わる「葉隠」という心得があるんですけども、その「葉隠」の中の一節にですね、
「武士道とは死ぬことと見つけたり」
という有名な言葉があって、それはどういうことかと言うと、鍋島藩の武士というのは必ず毎朝、死のイメージトレーニングをするらしいのですよ。
死のイメージトレーニングというのは、朝起きた時に自分が死ぬところを想像するらしいのですね。それはなるべくいろんな死に方をしたほうがいいらしいのです。
病気で死ぬこともあれば、武士ですから斬られて死ぬことある。あるいは地震で建物の下敷きになって死ぬこともあるし、川で溺れて死ぬこともある。
とにかく死ぬ瞬間を想像するらしいのですよ。
そういう形で必ず朝一回死ぬんですね。
死んで、その死の恐怖を味わって起き上がってくると、その人はもう死人(しびと)という形で怖いものが無くなると言うんですよ。
貰いものの人生と言うか、1回死んだことを毎朝経験しているわけですから、その1日が死から蘇ってきたものだから貰いものの1日になると思うのですね。
そうなると泰然自若になると言うか、度胸もつくし、礼もわきまえるし、何か自然な形で生きられるというのですね。
度胸と言うよりももっと肝が据わるという感じですね。
スポーツジャーナル2011特別号33ページ
岩崎夏海氏の講演録から。
いわゆる「死ぬ気になってやれば何でもできる」というやつでしょうか。
確かに命を落とすことに比べれば、スポーツでどれだけ緊迫した場面でも「大したことない」と思えます。
なので管理人としては岩崎氏の考えにも一理あると考えます。
ただしこれを毎朝やるというのはどうでしょうか?
来る日も来る日も、自分の死を想像して一日を始めるのはメンタルに良くない気もするのです。
なので自分の死をイメージするのは、大事な試合の当日もしくは数日前から、など期間限定で行うのはどうでしょうか。
なかなかへビーですが、自分に合うようなら試しにやってみて下さい。
- もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
- 葉隠(知的生きかた文庫)
※いずれも「試し読み」・kindle版あります
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