「打撃には好不調の波があるが、守備に波はない」と言われるように、堅実な守備は強いチームの必須条件です。
 
「すぐマネしたい バッティング 守備 ・ 走塁 トッププレイヤーの技術」で、本西厚博さんが内野守備のポイントを解説されていました。


 
要点をまとめて紹介します。
 
(このコンテンツは「すぐマネしたい バッティング 守備・走塁 トッププレイヤーの技術(Amazon)」108~113ページを参考にしています。選手所属チームなどは当時のものです)

準備 ポジションと構え

本西さんは内野守備の場合、ほとんどは準備で決まると言っても過言ではないとしています。その準備とは「ポジション」と「構え」です。
 
ポジションは、あらかじめデータや打球の傾向などを参考に決めます。大リーグでは、特定の打者に対するシフトとして極端とも言えそうなポジションをとることがあります。これはその打者の打球に対する「準備」でもあるわけです。
 
事前のデータだけでなく、グラウンドに立って感じたことも大事にしましょう。実際に守備につき、打者のスイングやスタンスを見て「こっちに来そうだ」と感じたことも重要な情報です。
 
投手がモーションに入った時にしっかり構えます。この時に足が揃っていると横への対応が遅くなります。どちらかの足が前になるよう構えましょう。
 

判断 打者の身体全体を見る

内野手は打者との距離が短いため、打球への判断が全てといっても過言ではありません。
 
バットとボールが当たった瞬間に一歩目をスタートするだけでなく、バットとボールを中心にして打者の身体全体を視野に入れておきましょう。身体のちょっとした動きで打球の方向が分かることもあります。
 
守備の名手・宮本慎也選手も「全体をなんとなく見ている」そうです。
 

捕球 内野ゴロは前に出る

捕球では常に”挑戦すること”を心がけましょう。バウンドを合わせるために、打球を待って捕る選手がいますが、待っての捕球はリスクもあります。
 
プロのような人工芝ならともかく、土のグラウンドではイレギュラーの可能性が高くなります。前に出ることで一塁との距離も短縮できます。
 
捕球は必ずしも両手で行う必要はなく、その後の送球しやすい形を優先します。どういう体勢での捕球が最適なのかを日頃から常に考えておきましょう。
 
フォースプレーでセカンドから送球を受ける際はどうしても走者が目に入ります。焦らないようにできるだけ早めにベースで待つことが大事です。
 

送球 わきを締めて投げる

内野の守備では様々な送球法があります。
 
深い位置で捕球した場合は遠投のためのオーバースロー、フォースプレーの際には柔らかい送球を行うためにサイドから手首をきかせたスナップスロー。下からの(グラブ)トスのケースもあります。
 
いずれの投げ方でも、ワキを締めておくのがポイントです。ワキを締めていればコントロールをつけやすく、強いボールを投げることができます。
 
ランナーのスライディングが気になっても勇気をもって対応しましょう。ランナーに送球が当たらないよう上から投げます。
 

 
走者と交錯しないよう注意しつつ、出来るだけベースから近い場所でステップして投げましょう。それにより最速で送球できます。
 
バックホームへの送球は1点を争うプレーになります。急ぎながらも確実なプレーが求められます。守備位置と捕手との距離を確認しておき、半身で捕球すると捕手へ投げやすくなります。
 
この際はオーバースローで投げると変な回転がかかりにくく、捕手が受けやすい球が投げられます。