野球選手アイコン大谷選手の二刀流はプロ野球で前例の無い”大それたこと”です。

「そんなことは無理だ」が常識であり、投手・野手いずれかで成績が振るわないと「いわんこっちゃない」と酷評されるのは目に見えています。
 
大谷選手の実力を疑わない栗山監督でさえ時には迷いが出るのです。
 
スポーツジャーナリスト・石田雄太さんの著書「野球翔年1」に、栗山監督が二刀流について”ボヤいた”件がありました。
 
ボヤいた相手は長嶋茂雄さん。
 
二刀流に対する長嶋さんのリアクションはどのようなものだったのでしょうか?
 
同書の33~34ページから、一部を抜粋して紹介します。(この本は面白いですよ!)

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大谷翔平 野球翔年 I 日本編2013‐2018
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栗山監督も迷うプロでの二刀流 長嶋茂雄さんの反応は?

二刀流と言うのは簡単ですが、ブロの世界で実践するのは困難を極めます。

二刀流という言葉だけを聞けば耳に心地いいのかもしれないが、難しい選択に日々、直面しているというのが現実だ。
 
たとえば、試合前にブルペンでピッチングをすれば、アイシングをしなければならない。
 
アイシングをしたピッチャーは、その日、もう一度、全力で投げるなどということはあり得ない。
 
しかしその日、外野手としてノックを受ければ、アイシング後でも全力で投げなければならなくなる。
 
ボールを投げる野手

栗山監督自身も葛藤しています。

それで本当に大丈夫なのかという疑問に、今のところ、確固たる答えはない。栗山監督は言う。
 
「自分でも時々、野球人感覚が顔を出して、本当に両方やらせて大丈夫なのかってせめぎ合ってるわけよ。
 
だから、みんなが言うようにどちらかにすれば楽に決まってる。
 
でも、そうじゃない勝負を挑んでいるわけだし、翔平も挑戦したいと言ってるんだから」

そんな厳しい試練に挑む大谷選手について、長嶋茂雄さんはこのように語っています。

栗山監督は、DH制のない交流戦のビジターゲームで「3番ピッチャー、大谷」を実現させ、それをもって宣戦布告とする新たな青写真を描いているようだ。
 
「まずは先入観を消す。野球界の常識に囚われない。じつはミスター(長嶋茂雄さん)と話したとき、『僕、野球界の先輩方に怒られてます』と言ったら、ミスター、あの甲高い声で笑いながら、『何を言ってるんですか。あんな選手、野球界には80年間、一人もいなかったじゃない』って言ってくれたんだよ」
 
以前、好きな言葉は何かと聞いたとき、大谷はこう言ったことがある。
 
「それは『先入観は可能を不可能にする』という言葉です。自分で決めつけるのはイヤだし、できないと思ったら終わりだと思います」
 
10年に一人のピッチャーと10年に一人のバッターなら、それを兼ね備える選手は100年に一人だ。栗山監督はこう言い切った。
 
「本当に2人いると思ってるよ。エースで4番だというイメージ。バッターとしては今でも主力だし、ピッチャーとしても立ち姿、ボールの質、どれを取っても間違いなくチームの軸になれる。あとは、いい球をを投げることと勝つことは違うんだというところを、翔平がどうクリアするかだよね」
 
バット・グローブ・ボール

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