野球選手アイコンスポーツジャーナリスト・石田雄太さんの著書「野球翔年1」に、プロ1年目を終えた大谷翔平選手へのインタビュー記事がありました。

打者としての2年目の課題について、「二種類のボールへの対処」と極めて具体的に語られています。
 
同書の65~66ページから、一部を抜粋して紹介します。(この本は面白いですよ!)

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大谷翔平 野球翔年 I 日本編2013‐2018
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夏に打率急落 何が起こった?プロ2年目に必要な技術・2種類のボール見極め

プロ1年目の大谷選手は夏に打率を落としてしまいます。
 
疲れがあったのは確かですが、大谷選手は原因をこのように分析しています。

—そんな夏場の疲れと関係があったのかもしれませんが、バッターとして6月終了時点で3割4分8厘あった打率が、8月の終わりに3割1厘となり、最終的には2割3分8厘にまで下がってしまいました。
 
その間、バッターとしての大谷選手に何が起こっていたのでしょう。
 
「何も起こってないと思います」
 
—何も?そんなことはないでしょう。
 
「すべては技量の問題です。もちろん多少の疲れもあったとは思いますし、振りが鈍くなっていたということもあったかもしれません。
 
でも、それも含めて技術なんです。
 
オールスターまではピッチャーもストライク先行で、ストレートから入ってきてくれたので、打ちやすかったのもあったと思います。
 
自分の思っていたところに、思い通りに来てくれていたので、そういうところで結果は出ていたのかなと…」
 
左バッター

相手投手の攻め方も変わってきていました。

—後半は相手の配球が変わってきたということ?
 
「そうですね。最後のほうは配球で言えば変化球で入ってきたり、コースで言うならストレートでも内角は見逃す確率が高かったと思うので、内角から入ってくることが増えたり…そういうところが違ってきました。
 
思い通りに来たときにはどんどん振っていいと思いますけど、そうじゃないときに振ってもただ凡退しちゃうだけなので、コースを読んで、ボール球を見極めて、自分の優位なカウントにもっていくことも大事かなと思いました」
 
—それが2年目の課題ですか。
 
「そのあたりをもっとしっかりできれば、もっといい成績も残ったと思いますし、相手のピッチャーが考えて投げてくる分、こちらもそれなりの技術を身につけなければならないなと、改めて感じました」
 
バッター

2年目に同じ轍を踏まないために必要な技術とは…

—そのために具体的に身につけなければならない技術は何だとお考えですか。
 
「それはストレートの高めの見極めと、低めのタテ系の変化の見極めです。
 
とくに高めには力強いまっすぐが来ますし、今の自分は、ストライクゾーンに来たボールを振ることでようやく勝負ができるという感じはあると思うんです。
 
でも、力強い高めのまっすぐは、今までの自分の感覚だとストライクになるはずの高さが、グンと伸びてきてボール球になってしまう。
 
そこでバットを出して空振りしたりファウルになると、自分の中で『今のはボール球だったな』とか『助けちゃったな』という思いが残って、次に迷いが生じてしまう。
 
そういう球を見逃せればチャンスも残りますし、精神的に有利に立てると思うので、そこは大事かなと思います」
 
左バッター

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