97年2月の巨人宮崎キャンプでの目玉は、FA移籍した清原選手でした。
200人を超える報道陣と、殺到した観客が見守る中、長嶋監督は清原選手へのノックを行っています。
同じグラウンドでは、川相選手と仁志選手が守備練習中。
前年サードで新人王に輝いた仁志選手はこの年セカンドにコンバートされたのでした。そこで2人はニ遊間の連係プレーを繰り返していたのです。
練習を終えた川相選手は、イライラした様子で東京スポーツ新聞の記者にこう訴えたそうです。
清原のノック? そんなことよりこっちのほうが大事だろ。センターラインだよ。ニ遊間だよ。しかも、仁志は今年から初めてセカンドやるんだろ。
いまごろになってコンビネーションの練習をやるなんて遅いんだよ!そう思わない?
守備の反復練習 女子ソフトボールの日本代表 宇津木妙子監督
ソフトボールと野球は別の競技ですが、ひとつの参考として紹介します。
女子ソフトボールの日本代表の宇津木妙子前監督は、守備に関してある考えを持っています。
それは
「グラブさばきなど、ひとつの動きをマスターするまでには2000~3000回の反復練習が必要」
というもの。
そのため宇津木前監督のノックは非常にテンポが速く、一分間に40本も打つそうです。
この速射砲ともいえるノックが女子ソフトボール日本代表の守備力を世界トップレベルにまで押し上げたのでした。