「すぐマネしたい バッティング 守備 ・ 走塁 トッププレイヤーの技術」に、城島健司選手がキャッチャーのプレーについて解説している記事がありました。
 
キャッチャーとしてレベルアップするには何が必要か、投手からの信頼を得るために実践したことなど、城島捕手の考え方がわかります。
 
一部を抜粋して紹介します。

(このコンテンツは「すぐマネしたい バッティング 守備・走塁トッププレイヤーの技術(Amazon)」96~97ページを参考にしています。選手所属チームなどは当時のものです)

キャッチャーにとって「強い肩」とは

・スローイングは、数をこなすのが一番上達する方法ですか?
 
城島 やっぱり「好きこそものの上手なれ」。好きな人はそのことをやっています。僕なんて投げることが好きだからいつもボールを触っています。いつもキャッチボールしたりノックしたり。スローイングが悪い人はそれを隠そうとする。そこで差が出てくる。
 
小さい時に「ボールをいつも持っていろ」と言われる。いつもボールを持っていれば指先の感覚や投げる感覚が良くなる。投げるのが上手い人がいたら、それを見ているだけでなく「どうすればああなるのかな?上手くなるのかな?」と考えることです。
 

 
・何でも考えることですね。
 
城島 そうすれば分かるはず。身体の近くで投げているわけだしね。スライダー回転だし。投げる時ってシュート回転よりスライダー回転の方が早いんです。そういうところまで教えてくれない。「シュート回転はダメだ」ってそれだけ。なぜならシュート回転は力が伝わらない。それが道理なんですよ。
 
これに反するとダメなんです。シュート回転はこれに反しているから力が伝わらないで打たれる。そういう道理を伝えないと。自分より上手い人を見ていたら自分と違う何かがありますから。
 
・それでレベルアップしますからね。
 
城島 肩が強いから強肩じゃないんです。ランナーを刺すから強肩なんです。150m投げれても捕ってから早く投げないといけないし。一番大事なのはキレですからね。

投手からの信頼を得るために実践していること

・捕手として気をつけていることは何ですか?
 
城島 簡単に言うと取りあえず人より多くボールをコネる。それぐらいです。審判からボールを返す時に、ボールをコネて「しっかりと投げてくれよ」と。「(打たれても)正面に行ってくれよ」とかね。
 
コネるタイミングや、コネる時間でいろいろと考えたりできますからね。頭がいっぱいなのがリセットできることもあります。だから僕が考えるのはいかにボールをコネて渡すかということですね。
 
コネれる捕手は良い捕手ですよ。審判からボールをもらってコネて投手に渡している人はそうそういませんよ。そういう目で見てもらったらね。コネる回数が信頼につながって行くと思います。

考えることが成長や準備につながる 捕手としての理想像は?

・年上の人をリードする時には・・・
 
城島 野球をしているのに先輩も後輩もないですからね。いちいち気を使っていたら野球できないですよ。まあ、学生の一歳というのは大きな違いですから、私生活では頭が上がらないと思うので、せめて野球ぐらいは対等にやれば良い。僕は楽しくてしょうがなかった。
 
それと何でも自分でやることですよ。人は助けてくれない。考えずに成功しても次に同じ場面でできない。なぜなら実力じゃないから。自分を追いつめてやった結果が自分の結果なんです。
 
考えることが準備にもつながる。二度とない一球と考えてほしい。それで結果が残せなければそれが実力。
 

 
・捕手としての理想像は?
 
城島 明るくやりたいですね。捕手が花形ポジションになるのはすぐにというわけではないでしょうけど・・・。捕手の苦労話ばかりじゃなく、明るい話をしたいですね。

まとめ キャッチャーのポイント5つ

最後に城島捕手が考える、キャッチャーのポイントを5つ紹介します。

1 投手に合わせられるように
投手は人によってパターンが違う。10人いれば10人に合わせる。
 
2 ボールを多くコネる
コネることで冷静に考える時間を作れる。投手との信頼感もできる。
 
3 ランナーを動かさない
盗塁は刺すより、走者が動けないようにすれば良い。
 
4 殺せなければ強肩ではない
肩が強くてもランナーを刺せないと強肩とはいえない。
 
5 二度とないその一球を大切に
常にしっかりと考え、その場その場の一球を大切に。