こちらのページで、捕手の現状に野村克也氏が危機感を持っている件をお知らせしています。

これはもちろん、野村氏だけが持つ見解というわけではなく、雑誌「週刊新潮」にも野村氏の危惧を代弁したような記事がありました。


2016年3月24日号に掲載された「巨人も西武も泣く若手キャッチャー不毛時代」です。
 

 
以下に一部を抜粋して紹介します。

低オッズで手堅く稼ぐか、高配当狙いで勝負に出るか―――いま問題になっている野球賭博の話ではない。
 
昨季ブレイクした西武の森友哉(20)のことだ。
 
「大阪桐蔭時代に捕手として甲子園春夏連覇を達成した森ですが、捕球もリードも未熟で、一軍正捕手には程遠い。でも、天才的な打撃は捨てがたく、現在は指名打者で使われています」と大手紙デスクが語る。
 
「本来は二軍でしっかり育てるべきです。簡単ではありませんが、彼が”打てる捕手”、つまり古田敦也や城島健司、阿部慎之助のような稀少な存在になれば、チームは確実に強くなる。でも、西武はそんな”高配当”に賭ける気はない。というか、そんな余裕はない」
 

捕手の人材不足は他チームも同様です。

阿部といえば、巨人は昨季、小林誠司(26)を正捕手に抜擢するために阿部を一塁にコンバートしたが、
 
「やっぱり小林では頼りにならず、高橋新監督が阿部を捕手に戻した。ところが、キャンプで故障してしまい、今は小林がマスクを被っている有様です」
 
つまり、こちらは高配当狙いが裏目に出たクチ。しかも、仕切り直しで手堅く行ったら、それもスッてしまったというお粗末ぶりだ。
 
もっとも、捕手の育成に四苦八苦しているのは、巨人や西武だけではない。
 
「中日は、”ポスト谷繁”を模索中だし、DeNAやオリックスは3~4人でドングリの背比べ上体。阪神に至ってはここ20年、生え抜きの正捕手が育っていない」とスポーツ紙ベテラン記者が嘆く。
 
「もちろん、正捕手が定着しているチームもありますが、それとて古田や阿部のような不動の存在とは言い難いでしょう。今の侍ジャパンの捕手が誰か、即答できますか?即答どころか、熟考しても思い浮かばない人が多いのでは?」
 

このコンテンツは週刊新潮 2016年3/24号134ページを参考にしました。