「すぐマネしたい バッティング 守備 ・ 走塁 トッププレイヤーの技術」に、谷佳知選手のインタビュー記事がありました。
谷選手の速球に対する考え方やメンタル面についても語られている部分を一部抜粋して紹介します。
(このコンテンツは「すぐマネしたい バッティング 守備・走塁 トッププレイヤーの技術(Amazon)」38~41ページを参考にしています。記事中の所属チーム等は当時のものです)
スピードに対しては慣れしかない キューバ投手の違い
・この投手はすごいと思う人は?
谷 基本的にはみんなすごいですね。プロのピッチャーで変なピッチャーはいないと思います。スピードもあるし、スピードがなくてもキレがある。自分が簡単に打てるというのは1つもないんです。とにかく全力でいかないと打てないですよ。
・国際試合も経験しています。日本の投手とは違いますか?
谷 キューバというのはアマでトップですけどそこのピッチャーは良いですね。アトランタオリンピックは金属バットでしたから単純比較はできないですけど、木でやってたから多分打てなかったですね。キレとかスピードが全然違いました。向こうの球筋はキタナイんですよ。ストレートでも動くというか。それを一番感じました。
・スピードは。
谷 スピードもありますよ。当時はアマだったので国内では速くても145kmぐらいでしたけど、キューバの投手は150kmぐらい平気で投げていましたから。今、対戦するとまた違うと思いますけどね。スピードに関しては慣れれば当たり前になってくるんでね。
・数多く見てればスピードには慣れますか?
谷 0.何秒の世界ですから、考えて打つことはできないと思うんです。投げる前から振り始めないといけない感じです。例えばバッティングセンターの150kmなんか見えないですよね。アームが動く前から打ち始める。それと一緒です。だから泳ぐのは当たり前ですし、バットが空を斬るというのも当たり前の世界です。「3球のうち何とか1つは当てよう」という努力はしてるんで、そういうことでも慣れが大事ですね。
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スピードにはだんだんと慣れてくる 新人投手はやりにくい
・プロのスピードには1年目から慣れたのですか?
谷 慣れなかったですね。速さというよりもキレですね、アマとプロの違いは。スライダー、カープなんかでも曲がる範囲が全然違いましたから。キューバの投手がたくさんいるような感じでした。余裕はなかったですね。当てるのに必死。
・だんだんと慣れてくるのですか?
谷 だんだんですね。だから成績もだんだんしか上がっていない。プロのベテランがすごいというのもその辺です。経験。それが一番大事ですよ。やはり初対戦というのはバッターは打ちにくい。新人の投手に投げられるとすごくやりにくい。どんなボールがくるかわからない。以前からいる投手はスピードもキレもある程度わかりますから。
・よく「初物」とか言いますものね。
谷 そうです。また、年の最初の対戦もやりづらいですよ。シーズン始まると「今年は内を変えたのか?どういう研究をしているのか?」とすごく不安がある。
・シーズン最初の対戦で4回打席に立つとすると、その試合中にいろいろと見えてきますか?
谷 最初というのは投手も一番体力があって良い時期です。だから一番良いボールが来ると思うんで、そのボールに眼を慣れさせる必要があると思います。その時に慣れさせないと後で大変だと思いますから。
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バットを振ることが自信につながる 緊張を力に変える
・チャンスで打席に入ると気持ちは違いますか?
谷 普段もすごく緊張するんです。それが得点圏にいとるさらに緊張する。まあ良い緊張だと思うんですけど、気持ちが盛り上がって熱くなる感覚はあります。クリーンアップを打っているのでランナーを返すことが仕事ですし、チームに貢献したい。「ここで打とう!」と強く思って打席に入ります。
・子供の頃からそうでしたか?
谷 あまりそういう意識はなかったですね。
・プレッシャーに押しつぶされそうで、逃げ出したいと思う人もいると思います。
谷 それはプロでもそうです。緊張感あるし、負けれないというのもあります。ミスはこの世界許されない。押しつぶされそうというのは何回も経験していますよ。ただ、それに勝っていかないとやっていけない。本当はそういう気持ちがなければ良いんでしょうけど、それはそれで成長すると思いますしね。
・見た目にはひょうひょうとしていますが、葛藤があるんですね(笑)。
谷 すごい葛藤ですね(笑)。
・谷さんは緊張して実力が出なかったという経験は。
谷 あまりないかもしれないですね。そういう状況の方が逆に力を発揮できます。燃えてきます。
・大事な場面になるとあがってしまう人にアドバイスするとしたら。
谷 自分に自信を持つことじゃないですかね。練習してなかったら打てないのも当然だし、自信も持てません。バットを振ることで「これで良いんだ」という自信になります。緊張した時には「これだけやったんだ」というのを思えば少しでも和らげられると思います。まあ、それが一番難しいと思いますけどね。「打つ」という気持ちにならないと燃えてこないですよ。
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