野村監督の選手指導法は三つの段階に別れています。
その三段階とは
「無視 称賛 非難」
で、まずは選手を相手にせず無視するところから始まります。
そして選手に良いところがあれば褒めるようにして、最後は選手に対して「非難」をするのです。
ここでの「非難」とは難癖をつけるという意味ではなく、人間教育のためのお説教、ととらえた方が正しいようです。
良い仕事をして褒められた後、選手に油断や増長が起きないよう、気持ちを引き締めるための叱責をあえて行うといったところではないでしょうか。
落合博満監督の信条・示現流
06年セリーグの覇者、中日ドラゴンズの落合監督はベテランをうまく使っています。
ノーヒット・ノーランを達成した山本昌投手、4番の井上外野手、守備の達人・渡辺選手などです。
落合監督は自分が現役時代に不愉快だったことは、選手には絶対しないそうです。
実績・プライド共に高いベテラン選手たちを絶妙に起用できているのはこういった落合監督の心使いにあるのかもしれません。
落合監督は「野球は自分のため、家族のためにするもの」という信条をもっています。
そのため、06年の日本シリーズでは、対戦相手日本ハムの本拠地札幌に選手の家族を同行させました。日本一になるためには選手だけでなく、選手の家族の力も必要だと考えたのでしょう。
また落合監督はロッテでの現役時代に春季キャンプで鹿児島を訪れた際、薩摩示現流11代目宗主と密かに接見し、たてつづけに質問をしたそうです。
薩摩示現流とは、江戸時代に開かれた剣術の流派で、鬼気迫る独特の太刀筋で恐れられていました。
宗主によると落合監督は「敵と相対したときの呼吸の仕方」に特に興味を持っていたそうです。