2014年7月27日、石川県立野球場で行われた星陵高校対小松大谷高校戦は、「奇跡の大逆転」試合として現在でもしばしば話題になります。

星陵高校が9回裏、8点差を逆転してサヨナラ勝利を収めるのです。


雑誌「週刊ポスト」2016年11月18日号に、この試合で星陵高校を率いていた林和成監督のインタビュー記事がありました。
 
試合中の林監督の考えが理解できる内容なので、一部抜粋して紹介します。太字は当サイト管理人によるものです。

9回裏はまずレギュラー外れていた主将が代打で四球、続けて代打に送った三年生がタイムリー三塁打。”苦労人”二人で1点を取り、空気がまた少し変わる。
 

 
タイムリーが続き、5番の佐竹(海音)は三振振り逃げ。この試合、小松大谷の唯一の守りのミスでした。
 
さらにタイムリー、そして2ランホームランが出て6-8です。球場のボルテージが一気に上がったのがわかりましたね。
 
引っくり返せる-そんなムードの中、8番が「待て」のサインを無視してファーストフライです。
 
正直、怒鳴ってやろうと思いましたよ。でも、ベンチで選手たちは笑顔で迎え入れている。それを見た瞬間、最後まで彼らに任せようと決めた。
 
その後の1死一、二塁の場面も、スクイズのサインを出すのをやめました。結果、連打でひっくり返してしまった。
 
「こいつら凄いな」と思ったのは、2アウトになってからも、自分たちを信じて初球から打っていったことです。
 
私は逆転を信じながらも、同点になった時点で延長に備えて部長と守備の相談をしていた。だから実はサヨナラの一打を見ていない(苦笑)。
 
培ってきた技術と精神力が、あの1イニングに凝縮されていた。あの試合は奇跡ではなく、選手たちの実力だったと思っています。
 

2アウトになっても初球から打っていく積極性は、確かに凄いです。この試合ほど「野球は2アウトから」を体現している例はないでしょう。
 
このコンテンツは雑誌「週刊ポスト」2016年 11月18日号14ページを参考にしました。