2015年に行われたプレミア12で、日本は準決勝の韓国戦に敗れます。

2015年12月3日号の週刊文春「野球の言葉学」で、筆者の鷲田康さんは、小久保監督の采配にいくつかの”疑問手”があったとしています。


鷲田さんが挙げる疑問手は以下のとおりです。

1 リリーフ経験の少ない則本は一次ラウンドから回をまたぐと崩れていたが、なぜ9回も投げさせたのか 
 
2 9回に則本を送っても、韓国が左の代打攻勢で動いたら、すかさず松井にスイッチする嫌らしさはないのか 
 
3 則本はまず、連打を浴びたところで交代ではないのか 
 
4 三点差の無死1、2塁は長打警戒でライン際を締めるのがセオリー。なぜ三塁線を破られたのか 
 
5 満塁では左対左よりまず制球力。経験も浅く勢いで投げる松井投入は無謀では?

鷲田氏は次のように続けます。 

大谷の七回降板に批判も多い。ただこれは間違いではなかったと考える。大谷は七回の途中からボールが抜け出し、危険な兆候を見せていた。
 
ピンチを招いて慣れない回の途中で則本を登板させるなら、八回頭からという判断はありだ。
 
ただ、野球は僅差で逃げ切る9回が一番、難しい。だから「則本に託した」とお任せではなく、打たれたら、相手が動いてきたら、と危機管理をしておくのがベンチの仕事なのだ。
 
しかしそれが全くできていない。
 
まさにそういう準備不足、甘さが、ドタバタの原因なのである。
 

鷲田氏の批判はもっともなのでしょうが、采配の機微は実際にベンチにいないとわからない部分も多いはずです。
 
選手、監督ともに試行錯誤するところもあったでしょう。結果が出てから「あれはミスだった」と断ずるのは簡単です。
 
敗戦後、小久保監督は「負けの責任はすべてオレにある」とされています。
 
目標はあくまで今年(2017年)のワールド・ベースボールクラシックです。この敗戦を糧に、次は勝つ野球を見せてくれるのではないでしょうか。