BS1で放送されている「球辞苑」は、野球に関するマニアックなトピックを掘り下げる番組で、野球好きにはとても興味深い内容です。
このコンテンツでは、「リード」特集回の内容を以下にまとめて紹介します。
福本豊氏の言葉やリードの大きさの基準
投手にプレッシャーをかけるため、いかに牽制をもらうかも重要。
世界の盗塁王・福本豊氏
「牽制は”される”ものではなく、”させる”もの」
アメリカにはリードのデータがあります。
■イチロー選手のリードの大きさ
対左投手 384.7cm
対右投手 388.6cm
松本匡史(ただし)氏
「リードの大きさの基準は身長+腕の長さ+1~2歩。一歩踏み出してヘッドスライディングで戻るのが基本」
山田哲人選手の盗塁数を激増させた福地コーチのアドバイス
盗塁王・山田哲人選手の年間盗塁数データがあります。
・2014年 15個
・2015年 34個
・2016年 30個
2015年に盗塁数が大幅に増えた理由は、リードの意識改革にありました。
山田選手にリードの重要性を説いたのが、福地寿樹(ふくち かずき)外野守備走塁コーチです。福地コーチは現役時代に08年、09年連続で盗塁王を獲得しています。
福地コーチ
「リードはもちろん重要。ランナーのしぐさ一つで牽制をもらったり、牽制が全く来なかったりする。
ランナーは相手チーム全員が見ている。表情、手の動き、足の動きで全部わかってしまう。
リードをとるうえで最も大事なのは、準備。早めに準備することが大事。リードが少し小さめでも、早めの準備でスタートが切れたら、成功率は上がる。
リードは陸上競技ではないので、”フライング”してもOK」
盗塁成功に必要な要素は三つのS、つまりスタート、スピード、スライディングと言われますが、福地コーチはその3Sの前段階、リードの準備が重要と強調しています。
山田選手にも”リードの準備を早く”を徹底させるよう指導しました。
福地コーチ
「根拠を持ってリードをすること。(山田選手は)ただなんとなく構えやすいから、だった。根拠のあるリードの準備ができていなかった」
「ピッチャーがキャッチャーのサインを見る。その時はいつでもスタートを切れる状態にいるのが基本。投球姿勢(セットポジション)に入る前に、リードをとり終えておくこと。
サインを見る→セットポジションの間に、ランナーはすでにリードを終わっているべき。そうすれば考える時間、観察する時間が増えるので、視野が広がる。ピッチャーの背中をずっと見てると、何らかの情報が入ってくる。
山田選手は『牽制が来ないと思いました』と時々言うことがある。そうしたことは、投手の背中を見てるとわかることがある」
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無意識に右に動いてしまう体は右手で制止
現役時代の福地コーチは、リード準備を終えた後、常に盗塁しようと考えていました。(戻る意識は少しだけ)
走ることに集中すると、無意識に身体が動くことがある。
それを止めるために、右手を使いました。
つい右側に身体が動いてしまうのを、膝の上に乗せた右手をグッと”踏ん張る”ことで止めていたのです。右手がブレーキになっていたわけです。
感覚に頼らず、根拠を持って早めに準備すること。
常に走る意識を持ち、右手をブレーキとして使うこと。
(福地寿樹)
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