「すぐマネしたい バッティング 守備 ・ 走塁 トッププレイヤーの技術」で、本西厚博さんが外野守備のポイントを解説されていました。
要点をまとめて、新庄剛志選手、高橋由伸選手の外野守備とともに紹介します。
(このコンテンツは「すぐマネしたい バッティング 守備・走塁 トッププレイヤーの技術(Amazon)」116~127ページを参考にしています。選手所属チームなどは当時のものです)
準備
いうまでもなく、外野の後ろには誰もいません。抜かれると一気に長打になり、場合によっては即得点につながります。外野手は確実性が最も求められるポジションなのです。
確実性を高めるためには、準備が非常に大切です。試合前から芝の具合、グラウンドコンディション、風向き、打球の見え方をチェックしておきましょう。
もうひとつ、クッションボールの弾み方も事前のチェックが欠かせません。ラバーやコンクリートなど球場によってフェンスに違いがあるので、特に初めての球場では忘れずに確認しておきましょう。
判断
外野は広いフィールドを三人で守ります。そのため打球に対する一歩目のスタートが命です。
外野手の場合、ポジションによって打球の見え方が異なります。右打者の場合、レフトは途中までバットとボールが一体に見え、センターは真正面で比較的見やすく、ライトは見やすい一方で打球がスライスして飛んできます。左打者の場合は逆になります。
構え方はどちらかの足を軽く引いておけばスタートが切りやすくなります。自分の右の打球は右足から、左の打球は左足から動き始めます。ゴロの捕球は基本的に内野手と同じです。返球を意識するとボールから目が離れがちになりますが、捕球するまでボールから視線を切らさないようにしましょう。
一歩目を踏み出す判断は、練習によって磨かれます。ノックだけでなく、打撃練習のボールを実際に取ることで感覚を習得していきましょう。
捕球
打球を確実に処理するためには、落下点へ一直線に、とにかく早く入ることを心がけましょう。外野手は風に影響されやすいポジションですが、打球の下に早めに入っていれば風でボールが流されても対応できます。
捕球の際には両手で捕れ、という人もいますが、必ずしもそうではありません。外野手は走って落下点に入り、タイミングがギリギリの時もあります。両手捕球にこだわると動作が遅くなることも多いので、自分が一番捕りやすい方法を使い分けましょう。
送球
外野手は捕球したらすぐに内野手にボールを返すことを念頭に置きましょう。送球はカットマン、本塁どちらへも強く速いボールを投げなくてはいけません。緩いボールではランナーに進塁を許してしまいます。
投げる際には、ボールに変な回転がかからないように、しっかり上から投げるのも忘れてはいけません。内野手と同じようにワンステップで投げると時間を短縮でき、リズムよく投げられます。
新庄剛志選手の外野守備
現役時代の新庄選手は外野守備で日本球界トップクラスの技術を持っていました。
細身の体ながら、センター定位置からノーバウンドで本塁へ送球する強肩は、チームのピンチを何度も救っています。
本西さんによる、新庄選手の守備の解説をまとめます。
・時には前に倒れ込みそうなほど全身を使ってスローイングするため、速く強いボールを投げられる
・フライを捕球する際にジャンプすることがある。一種のパフォーマンスだが、これも落下点に早く入っているからできること
高橋由伸選手の外野守備
高橋由伸選手は、98年から03年までゴールデングラブ賞を獲得しています。
高橋選手は、外野守備において以下のことを心がけています。
後ろには誰もいない。行くときは行く、引くときは引く。
・開き直りが大切
エラーは誰でもする。「しょうがない」ぐらいの気持ちで。
・準備だけは大切に
守っている時はポジショニングなど準備を常に怠らない。
・できるだけ前目に守る
投手が「打ち取った」と思った打球はできるだけ捕る。
・やれることは最低限やる
ファインプレーはたまたま。普通のフライを当たり前に捕る。
高橋選手(右投げ)が、捕球後に身体をターンさせて送球する際の動作の一例をまとめます。
・打球へ一直線に向かい、ボールがグラブに入るまで目を切らさない
・体の左でボールを捕ると同時に左足を軸に身体を回転させる
・ターンと同時に右足に重心を乗せ、ただちに送球に入る
・胸をしっかり張って、真上からしっかり投げることで送球に変化がかからないので野手も捕りやすい
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