ヤクルトスワローズで活躍し、五輪での日本代表主将、日本プロ野球選手会長も務めた宮本慎也氏は、2013年に現役引退後、野球の普及活動に力を入れています。
2016年からは、自らの名前を冠した軟式野球大会をスタートさせていて、その大会には独特のルールがひとつあります。
それはバント禁止です。
言うまでもなく、バントは攻撃の選択肢のひとつとして欠かせないものです。
それを禁止する宮本氏の意図は何なのでしょうか?
雑誌「週刊ポスト」に、解説記事がありました。一部を抜粋して紹介します。
今の少年野球はバントや待てのサインがすごく多いんです。勝ちにこだわっているんですね。
もちろんそれ自体は悪いことじゃないけど、やっぱり野球は振ってナンボじゃないですか。
確かに僕は現役時代、400個以上バントしました。でも僕だって本当は打ちたかったですよ。そんな僕がいうんだから説得力あるでしょう?(笑い)
だから僕の大会ぐらいは強く振る、思い切って投げるという野球をやってほしいんです。だってその方が面白いから。
子供たちにはそうやって、野球の面白さを知ってほしいんです。
宮本氏には、「野球人口は確実に減っている。子供の野球離れを止め、裾野を広げなければならない」という使命感があります。
バントを禁止するのも、「まずは子供に野球の楽しさ・面白さを知ってほしい」という宮本氏の信念の表れなのでしょう。
このコンテンツは雑誌週刊ポスト 2016年 11月18日号27ページを参考にしました。