野球選手アイコンスポーツジャーナリスト・石田雄太さんの著書「野球翔年1」に、プロ1年目を終えた大谷翔平選手へのインタビュー記事がありました。

最も疲労を感じた時期とその対処について大谷選手が語っています。
 
同書の62~65ページから、一部を抜粋して紹介します。(この本は面白いですよ!)

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大谷翔平 野球翔年 I 日本編2013‐2018
大谷翔平 野球翔年 I 日本編2013‐2018





プロを一年間経験できたこと自体が大きな収穫 いつ疲れるかも把握

大谷選手にとって「プロで一年間活動するとどうなるのか」はとても良い経験になりました。

—ルーキーイヤーのこの一年間、ご自分の中では何がもっとも変わったと思いますか。
 
「まず、身体が違うと思いますし、技術もちろん違うと思います。
 
でも一番変わったのは、一年、144試合に出させてもらって、すごくいい経験をしたことかなと。
 
一年を通すとどういう感じなのか、そのペースがわからなかったし、それが不安だったんですけど、今は実際にやってみて、もう不安はありませんし、2年目はもっとこうしたいなという感じも自分の中にあります。
 
だからそこが一番、変わったところかなと思います」
 
ネクストバッターズサークルの打者

一年通したらどのように疲れるのか、も経験のひとつです。

—2年目、こうしたいなというところ、具体的には…
 
「僕のイメージの中では、オールスターまではすごく早かった感じがします。でも、オールスターが終わってから長かったと思うのは、体力的に落ちたのかな、疲れを感じていたのかなということもありました。
 
2014年はそこをしっかりやりたい。シーズンというのは一試合ずつ、全力でやっていくものですけど、休むタイミングも大事なのかなと思いました」

一番疲れを時期も把握でき、それを「踏ん張りどころ」と解釈しています。

—休むタイミングというのは…
 
「試合を休むということではなく、試合に出ながら自分をどう休ませるかということです。
 
一年目は、一年間の流れが全然わかりませんでしたし、何試合やってどのくらい休めばいいのかとか、シーズンがどのくらいの長さに感じるのかとか、そういうことがまったくわからなかったんです。
 
でも実際にやってみたら、どうしても夏場、後半にさしかかるところが僕の中では一番きついかなと思ったので、そこで何とか踏ん張っていければ、秋、終盤につながっていくのかなとは思います」
 
走る野球選手

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「ヤバい」と感じるほど疲れたのは 走るとコンディションがわかる

最もキツかったのは、オールスター後の試合です。

—夏場の疲れというのは、いつ頃、自覚したのでしょう。
 
「オールスターの後、2、3試合ありましたね」
 
—えっ、2、3試合だけ?
 
「疲れは後半、ずっとありましたけど、すごく身体が動かないとか、これはキツいなと感じた試合は2、3試合でした。
 
とくに体調が悪くて、しんどくて、今日はヤバいかもと思ったのは、オールスター直後の神戸での試合です」
 
—(2013年)7月25日のバファローズ戦。
 
「あの日は神戸は暑かったですし、試合前、走ってるときにもう身体がだるくて…走るとコンディショニングの状態がわかるんですけど、あれはキツかったですね」

最悪の状態を経験しておけば、その他の日のペース配分も加減できます。

—前夜は京セラドーム大阪でのナイターでした。5番、ライトでフル出場して2安打、神戸に移動して、その日はピッチャーとしてベンチ入りのメンバーに入っていました。
 
「そういうときに、だからダメだ、じゃなくて、なんとか踏ん張って乗り切っていければ、もっと調子のいい日につなげていけるのかなと思います。
 
神戸で体調が悪くなったとき、『これがどのくらい続くのかな』と思いましたし、僕もそのときはわからなかったんですけど、実際は次の日には普通に戻って、よしと思っていたら、少ししてからの西武ドームでまた疲れがドッと来て、そのときは2、3日後まで引きずったり…」
 
—それは8月6~8日のライオンズ戦。
 
「トータルで考えれば、そういう疲れを何十試合も感じたわけではなかったので、その2、3試合をこの日が勝負だと思って踏ん張れれば、楽な日にはもっと頑張れたのかなと思います」

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