一度は二軍落ちしたものの、急成長を見せている楽天のドラフト一位ルーキー・オコエ瑠偉選手。

時にはプロの洗礼を受けつつ、実力を急速につけている秘密は「聞く力」と「野球ノート」にあるようです。
 
(この記事は週刊文春2016年6/30号133ページを参考にしています)

急成長の要因として前出の記者が指摘するのが、オコエの「聞く力」だ。
 
「DeNA戦の二日前に、巨人の坂本勇人内野手に内角打ちのコツを聞きに行き、実際に内角の直球をホームランにしてしまった。
 
試合前に対戦相手、それも実績ある先輩に声をかけるなんて普通の新人にはできません(苦笑)。
 
本人は『時間があれば鈴木尚広さんにも走塁の話を聞きたかった』と貪欲な姿勢を見せていましたけど」

野球に限らず、「人に質問する」のは、簡単なようで意外とできないものです。ライバルを助けることになる、プロアスリート同士ならなおさらではないでしょうか。
 
実績ある先輩選手(しかもライバルチームの)に指導を請えるのは、オコエ選手の性格によるところも大きいのかもしれません。
 
次に、野球ノートについて。
スポーツタイムズ通信社代表・本郷陽一氏の解説です。

オコエなど注目の新人にはOBや評論家が口を出し、自分を見失ってしまうケースが多いんです。
 
それを懸念した池山コーチから「自分の納得したことだけを書いておけ」と言われ、キャンプから真剣にノートをつけ始めたようです。
 
助言を取捨選択して自分のものにしているのですが、絞り込んだ二つのポイントが、”タイミング”と”間”。これは落合博満さんの打撃論と同じです。
 

 
グリップの位置の微調整や重心の掛け方など言われたことを理解し、身体に落としこむ能力も高く、その点ではイチローや山田哲人に通じます。

ノートには「自分が納得したことだけを書く」のはポイントではないでしょうか。
 
イチロー選手や松井秀喜選手の例でもわかるように、本当に自分のためになるかどうかは、自分でしか判断できません。
 
選手であれば、忠告に耳を傾ける謙虚さは持ちつつ、そのアドバイスが自分を成長させる役に立つかどうか判断する「鋭さ」「感覚」が要求されると言えそうです。